旅行とは贅沢をしてこそ楽しめるもの、そう考える人は少なくない。
しかし私にとって旅とは、必ずしも高級ホテルや豪華な食事にお金をかけることではない。
むしろ、同じ金額をかけるのであれば、一つの場所に滞在して贅沢を味わうよりも、一つでも多くの場所を訪れる方が魅力的に思える。
これこそが私の旅の基本スタイルであり、このブログ「格安独歩」の出発点である。
「旅行に行きたいけれど、お金がない」
そう思っている方は少なくないだろう。しかし私はそうは考えない。
現代は、LCC(格安航空会社)、高速バス、青春18きっぷ、オンライン予約サイト、割引クーポン、民泊サービスなど、格安旅行を可能にする仕組みが数え切れないほど整っている。
ちょっと知っているだけで、旅費は大幅に抑えられる。
しかも「節約した分だけ、次の旅に回せる」と考えれば、むしろ低予算旅行は行動範囲を広げるための最大の武器になる。
「節約ばかりしていては、あまり楽しめないのでは?」
もちろん、このように不安に思う方もいるだろう。
しかし私は断言する。旅の質を決めるのは金額ではない。
大切なのは、受け身ではなく能動的に旅をする姿勢である。
例えば、その土地の歴史や文化を事前に学び、知識を携えて歩けば、何気ない路地や建物にも物語が宿る。
また「今回は城めぐり」「次は商店街探訪」「古い建築を探す」といった具合にテーマを定めることで、安価で短期間の一人旅であっても、驚くほど充実した時間になる。
むしろ高額なパッケージツアーでサービスに浸るよりも、低予算旅行の方が「自分で考え、自分で決める旅」になる。
これこそが一人旅の醍醐味であり、格安旅行の最大の価値であると私は考えている。
もちろん、時にはただ体を休めるために旅行へ行くこともあるだろう。
だが重要なのはメリハリである。
そのような旅ではとことん快適さにお金をかけ、日々のストレスを忘れ、とことん好きなものを食べるのがいいに決まっている。
節約を意識するからこそ、旅のテーマや目的に集中でき、有意義な体験が得られる。
そして、そもそもなぜ私は「一人旅」をテーマにするのか。
それは単純に、自分が一人旅を心から好きだからだ。
自分のペースで歩きたいときに歩き、立ち止まりたいときに立ち止まる。
誰にも合わせる必要がない気楽さと、自分で選んだ道を進んでいく自由。
それこそが一人旅の醍醐味である。
だが一人旅を選ぶ理由は、それだけではない。
実は、一人旅だからこそ可能になる節約の仕方がある。
複数人で旅をすると、どうしても相手に合わせて出費が増えがちだ。
例えば「本当はゲストハウスに泊まりたいけど、相手はホテルを希望する」といった場面や、「簡単に済ませたい食事も、せっかくだからと高いレストランに入る」といったケースだ。
一緒に行く人がいれば、それは避けられない。
だが一人旅なら、すべてを自分で決められる。
宿泊はカプセルホテルやゲストハウス、あるいは夜行バスを選んで宿代をゼロにすることだってできる。
食事もコンビニのおにぎりから地元商店街の惣菜まで、自由に選べる。
移動も「今日は歩いて節約しよう」と思えば、それがすぐ実行できる。
つまり、一人旅は「節約と相性がいい旅の形」なのだ。
自分の意思ひとつで出費を調整でき、しかもその自由さが旅の面白さにもつながる。
だからこそ私は一人旅をテーマにし、そして「格安独歩」という形で記録に残していきたいと考えている。
このブログ「格安独歩」では、私が実践してきた低予算一人旅の記録を綴り、その中で見つけた工夫や節約の方法を紹介していく。
格安であればあるほど旅に出られる回数は増え、出会いや発見のチャンスも広がる。
節約とは制約ではなく、むしろ「旅の自由」を得るための手段である。
次回以降の記事では、具体的にどのようにして旅費を抑え、実際に旅を成立させるのかを、交通・宿泊・食事といった観点から解説していきたい。
金がなくても旅はできる。むしろ工夫するからこそ、旅は面白くなる。
それが「格安独歩」の信念である。